Webチーム発足時から二人三脚。「ONEチーム」体制で行う継続的なデジタルマーケティング支援で、Web集客を大幅改善。

  • 業種製造業

クライアント

会社名 京セラインダストリアルツールズ株式会社
所在地 広島県福山市松浜町二丁目2番54号
発足 2018年
プロジェクト時期 総合電動工具(パワーツール)、ガーデン機器、関連製品の製造・開発・販売

概要

2018年にリョービ株式会社から京セラへの事業承継で発足。総合電動工具メーカーとして、プロ向けから家庭向けまで、さまざまな電動工具(パワーツール)やガーデン機器(芝刈り機など)の製造・開発・販売事業を国内外に展開しています。エクザムでは会社発足当時からこれまで、Webサイトの改善、SNS運用など、幅広くデジタルマーケティングをお手伝いしています。

プロジェクトメンバー

( 京セラインダストリアルツールズ(株) )

  • 事業推進事業部青木様
  • 遠田様
  • 石塚様

( エクザム )

  • プランナー池田
  • マーケティングセクション今度

依頼背景‧経緯

広報戦略の地盤作りから丁寧にサポート。
アクセス解析でマーケティング全体の道筋を明確に。

―― 京セラインダストリアルツールズ(以下、KIT)様がエクザムにご依頼をいただいた背景や経緯について教えてください。

エクザム: 初めてお会いしたのは2018年でしたね。エクザムには京セラ本社の広報室から「新しく京セラグループになった会社のWebサイトリニューアルをやってほしい」とお話をいただきました。
京セラ様のサイトは以前からエクザムで請け負わせていただいていますが、グループ会社ということで本社サイトの親和性の面から当社にお声がけいただいたと伺っています。

KIT様: KITはその年に、前身のリョービから京セラへの電動工具(パワーツール)の事業承継で発足しました。それに伴い、電動工具事業部の広告デザインチームだった私たちが「事業推進事業部 広報デザイン課」としてWebを含めた広報から広告宣伝までを担当することになり、KITとしてWebサイトの立ち上げが必要になっていました。エクザムさんを紹介されたのはそのタイミングです。一事業部から会社に変わる状況でしたので、エクザムさんにサポートに入っていただくことはむしろありがたかった。変な先入観などもなくフラットに受け入れられましたね。

業務スタート時の要望‧課題

―― 京セラインダストリアルツールズ(以下、KIT)様がエクザムにご依頼をいただいた背景や経緯について教えてください。

KIT様: リョービ時代のWebサイトは広報部が運営管理していたので、私たちは商品ページの入力のみを担当していました。サイト運営はKITになって一から取り組むことになったので、そもそもどこから手をつければ良いのかわからず、課題もはっきりしていませんでした。

エクザム: お話をお伺いし、エクザムからはKIT様単体のWebサイト立ち上げの後、アクセス解析で課題を抽出して段階的にリニューアルを進めていくプランをご提案しました。更新管理に関してはCMSの導入で対応できますので、あとはアクセス解析を通じて策定したマーケティング戦略に沿ってどうリニューアルするか、道筋を作っていく形です。

KIT様: アクセス解析も初めての試みでしたので、最初はもう言われるがままでしたね。でもアクセス解析によってサイトの状況を客観的な数値で理解でき、曖昧だった課題感や方針が明確化したので、納得して方向を定めていくことができました。エクザムさんの説明はデータなど根拠に基づいて、グラフなども用いて丁寧に説明していただけるので、大変わかりやすかったです。

エクザム: ありがとうございます。サイトの見栄えを変えるだけではなく、その後も効果的なマーケティングが行える、継続的に運用していける仕様にしていく作業がWebリニューアルです。KIT様の場合は地盤づくりの段階からお手伝いさせていただいたので、方針を最初から一致させて取り組めたのも良かったと思います。

具体的な課題と解決

データに基づく課題解決型Webサイトリニューアルと、
ユーザー視点のマーケティングとブランド力の向上を実現。

―― アクセス解析を経て、具体的に浮かび上がった課題と、それをどのように解決していったのか、教えてください。

サイト構造の課題解決

エクザム: まずはサイト構造ですね。導線の悪さが原因で適切にユーザーに情報が伝わらず、訴求力や満足度の低下につながっていました。

KIT様: 2018年当時のWebサイトは、とりあえずリョービ時代のものを京セラの枠に移しただけの突貫工事でした。

エクザム: 特に課題となっていたのが入口の分け方です。以前のサイトでは取り扱われている工具のカテゴリ・商品の種類や用途で分けられていましたが、その結果プロ向けと家庭向け、想定ユーザーの異なる商品が混ざって一覧表示されていました。これではWebサイトで商品を調べたユーザーが家庭向け商品をプロ向けと誤解する恐れがあります。

KIT様: プロ向けと家庭向けで耐久性や機能性は全く異なるので、家庭向け商品でプロのような負荷の多い使い方をすれば故障の原因になります。そのせいで「プロ向け商品を買ったはずなのに全然ダメだ!」と思われたら、ブランドイメージの毀損に繋がります。
そこでプロ向け商品と家庭向け商品、それぞれ異なるターゲットを正しく導けるWebサイトへの改善が必要でした。

エクザム: アクセス解析や市場調査ではリョービの電動工具は家庭向け商品の印象が強いという結果が出ていたので、どちらか一方のイメージに偏らないサイト設計も求められていました。そこでリニューアルにあたっては、サイトの入口をプロ向け・家庭向けと使用想定ユーザーで分ける形に変更し、双方の商品が混ざらないようにしました。

KIT様: 文字情報が多く情報伝達力が劣っている点も課題にあがっていましたね。以前のサイトもメニューがカテゴリで切り替えられる仕様でしたが、表示が文字だけで変化がわかりにくかった。またいきなり商品名が出てくるので、電動工具の知識がないと商品を選びにくく、家庭向けのユーザーにとっては不親切な構造でした。

エクザム: その点は、メニューをサムネイル画像表示にするなどビジュアル面を強化して改善しました。プロ向け商品は各工具のカテゴリで分けつつ商品写真を掲載。家庭向け商品は「木を切る」「金属を磨く」など使用シーンでも選べる構造にし、アクセサリーページの入口も追加しました。

KIT様: プロ向けの電動工具はツールの用途ごとにアクセサリーを追加して使うスタイルが基本です。丸ノコの刃やグラインダーの砥石といった消耗品も含まれますので、プロ向け工具を購入いただいたお客様からは継続的かつ確実な需要・売り上げが見込めます。

エクザム: アクセス解析でアクセサリーのページはコンスタントにアクセスされていることがわかっていたので、独立させてすぐに見つけられる場所に表示したほうがいい、という判断でした。
他にも、LPも製品・内容別に分類することで検索に表示されやすくしました。さらに季節ごとに需要が大きく代わる商品は、適切な時期にピックアップして紹介ができる形にしました。

KIT様: アクセス解析を通じ、Webサイトを利用するお客様の目線で使いにくさや検索性の悪さなど問題点を可視化することができました。見えにくい部分を明確にしてくれる詳細なアクセスデータと、その結果をもとに的確なアドバイスをしてくれるエクザムさんのアクセス解析は、本当に依頼して良かったと思います。

コンテンツ活用による認知度向上

SNS運用を含めたマーケティングサポートで、認知度向上につながるコンテンツ活用を実現。

エクザム: あとはコンテンツの活用と認知度の向上ですね。KIT様は以前から広告コンテンツの制作に力を入れられていたので、それを如何に「京セラ」の認知度アップにつなげるかも課題でした。

KIT様: リョービ時代からホームセンターなどの店舗で流す動画を手掛けていましたが、当時は自由にWebサイトに載せることもできなかったので。代替としてYouTubeを制作コンテンツ置き場として10年以上利用していました。SNSでは2016年からFacebookを運用し、動画コンテンツの効果もありフォロワー5万人獲得など良い結果は得られていましたが、Webサイトとの連携ができておらずコンテンツを十分に活かせていない点が課題でした。

エクザム: KIT様の既存コンテンツは良いものばかりでしたので、露出や掲載の方法、つまり「見せ方」を改善すれば確実に光ると感じていました。具体的には、既存の動画素材を切り出してSNS等でもサクサク見てもらいやすいショート動画を増やし、これまでに投稿したコンテンツはWebサイト上に新設したソーシャルアルバムに格納しました。

KIT様: ソーシャルアルバムはブログのように使用できるので、ユーザーに伝えたいことが付け加えられ情報の解像度をアップできます。また、総合トップページに掲載情報のサムネが表示できる仕様になったので、速報性も上がりました。

エクザム: 日々積極的に更新されているWebサイトの方が検索の掲載順位もよくなるので、自ずと人目につきますし認知度アップにつながります。なによりKIT様は元々コンテンツ制作力が高いので、どんどんクオリティが向上しています。おかげで制作に関してはこちらに仕事を回していただけないくらいで(笑)

KIT様: 自分たちでできちゃいますからね(笑)でも、コンテンツに関してもエクザムさんにアクセス解析をしていただいているので、見る人の反応を考えて動画の見せ方や演出方法を考えるようになりました。アクセス解析を通じてどのコンテンツがどれだけ見られているのか、どんな人が見てくれたのか、反応が数字として表れるので、制作においても大いに参考になっています。

SNS運用サポート

―― SNS運用についてもエクザムが現在サポートさせていただいています。こちらはどのような流れで進められたのですか。

KIT様: エクザムさんにSNS運用のサポートをお願いしたのは2020年度ですね。2022年に電動工具のブランドロゴを京セラに統一することになり、そのタイミングでブランド訴求のためにテレビCMやWeb広告を厚めに実施していました。そのなかでさらに多くのユーザーへ「京セラ電動工具」をリーチさせるためにInstagramの運用をスタートし、サポートをエクザムさんにお願いいたしました。

エクザム: 本格的にリョービから京セラへのブランドチェンジを図った時期でしたね。エクザムとしても、Instagramは市場的にも伸びが非常に見込め、特にショート動画の配信に向いている媒体でしたので、KIT様のスタイルとは親和性が高いと考えていました。Web広告は他に比べて価格が抑えられるので費用対効果も高いですし、長期運用を考えてもおすすめできる媒体でした。

KIT様: Instagramの運用にあたっては、エクザムさんにはWebサイトリニューアルを経て信頼が上がっていましたので、安心してサポートをお願いできました。
Instagramはプロユーザーのフォロワーが多く他媒体との棲み分けができているので、新たなプロユーザーファン獲得と認知度アップに大いに貢献してくれていると感じています。

エクザム: エクザムにとっても、SNSのマーケティング運用サポートはKIT様が初の試みでした。KIT様とのプロジェクトが大きな契機となり、現在では多数の企業様からご依頼をいただき、エクザムのマーケティングサポートの中心的サービスとして実績を上げております。貴重な挑戦の機会を与えていただき、大変ありがたく思っております。

「京セラ」の認知度向上

7年間の総合的サポートで、YouTubeチャンネル登録者は約7倍に!検索面でも「京セラ」ブランド認知度向上に貢献。

―― ここまで具体的な課題とそれに対する施策についてお伺いしてきましたが、その後どのような変化や成果が見られましたか。

KIT様: エクザムさんにサポートいただいてから2024年で約7年になりますが、「京セラ電動工具」の認知度向上は確実に成果が出ていると感じています。YouTubeチャンネルも当初は2,400人程度だった登録者数が、6倍以上の1.6万人超(2024年12月時)になりました。現在も、前月比130、140%程度 と毎月コンスタントに登録者数が増加しています。Instagramもフォロワー数、コメント数も増えてお客様からの認知・レスポンスも良くなっています。

エクザム: アクセス解析のデータ上でも、2022年にはWebサイトのPVにおけるキーワード検索数で「京セラ」が「リョービ」を上回りました。データ上でも確実に成果が上がっていますし、広報施策として成功しているとみてよいと思います。

KIT様: ここまで成果が出て本当によかったです。Web上の「リョービ」の表記を「京セラ」に一本化して「リョービ」を検索対象から外したら、一気に検索数が下がった時は焦りましたが(笑)

エクザム: あの時はお互い悲鳴を上げましたね…マーケティング担当は「一時的な反応だから」と冷静でしたけど(笑)半年ほど様子を見て「リョービ」と「京セラ」の認知の結びつきがまだ弱いとデータ上でも確認できたので、製品情報の併記やSNS等のWeb広告を通じて「リョービが京セラになった」と改めて知らせる対策をとりました。

KIT様: 50年続いた「リョービの電動工具」というブランド認知の高さを改めて実感しました。担当者さんが落ち着いていらっしゃったのは物凄く頼もしかったです(笑)サイトリニューアルだけで終わらず、エクザムさんと定期的にアクセス解析レポートを通じて密にコミュニケーションを取りながらサポートをしていただいていたことで、スムーズに対策がとれたと思います。

エクザム: どうしても人の認知度と検索の対応にはタイムラグが生じてしまうので、Webマーケティングは長期的視点で地道に取り組む必要があります。その点をKIT様はご理解の上でお付き合いしていただけたので、当社としても有難かったです。

エクザムに頼んでよかったこと

―― 社外からの反応などは何か変化はありましたか。

KIT様: エクザムさんにお願いしてからは、他の京セラグループ会社の広報担当から業務相談を受けるようになりました。特に動画コンテンツ、YouTubeチャンネルに対しては反応が多くて、「どう運用しているの?」と聞かれることも多いです。

エクザム: 2024年にはKIT様のYouTubeチャンネル登録者数は京セラグループ内でもトップになりましたからね。本社からは何か反応ありましたか。

KIT様: 本社からも優秀な広報施策の実例としてWebサイトやSNS運用を取り上げられるなど、大変高く評価・注目していただいています。デジタルマーケティングを実践していくうえで、エクザムさんの助けを借りながら私たちも大いにスキルアップできました。

エクザム: KIT様は大変意欲的で、普段から熱心に勉強されていらっしゃいます。アクセス解析でのデータの読み解き方も年々理解を深められていて、レポート結果を踏まえた高度な内容のご提案を自らされることも多いですし、こちらとしても業務を通じて多くのことを学ばせていただいています。

KIT様: エクザムさんとは今や1つのチームのような一体感を感じています。担当者さんが皆さんスキルが幅広く、不明点をお伺いしてもすぐに返答していただけるので、困った時も相談しやすい体制を整えていただいて安心感があります。また、現在も定期的にアクセス解析レポートの機会を通じて新しい業界の動き、依頼している業務以外の視点でもご提案をいただけるので、こちらも視野を広げられています。都度新しい知見も得られますし、改めてお願いしてよかったなと思っています。

エクザム: 当社としても互いに仕事が学びの場になっていますし、Win-Winの良い関係を築かせていただいています。有難い限りです。

これからの活動について

更なるブランド認知向上とオンラインとオフラインが繋がるデジタルマーケティングを目指して

―― これからの活動についてお聞かせいただけますか。

KIT様: 今後はデジタルマーケティングをもっと売り上げに直結する動機づけになるようにしていきたいですね。オンラインでの認知はあくまできっかけ作りなので、Webサイトを展示会や店舗でのプロモーションなど、オフラインでの活動とリンクさせられればと考えています。

エクザム: オンラインとオフラインの相互関係の構築は、当社としてもぜひ取り組みたいところです。Webサイトの導線改善でイベント開催情報を把握しやすくしたり、商品に興味を持った方を販売店の情報やECサイトなどに誘導したり…オンラインからユーザーの行動にもアプローチできるようにしていきたいですね。

KIT様: あとは「京セラ電動工具」のブランド認知をさらに高める必要がありますね。検索数では成果は上がっていますが、いまだにSNSで「リョービって今京セラなの?」とコメントいただくことがありますので、引き続き認知の向上に力を入れていきたいと思います。また、プロ向け商品に関しては、伝えたい情報をターゲットユーザーへピンポイントでリーチさせられるよう精度をあげていきたいです。

エクザム: ブランドチェンジは根気よく取り組んでいかなければならない課題ですね。BtoCとBtoBでは求められるコンテンツの傾向もアプローチの仕方も異なるので、新しい方法も必要になってきます。SNSを通じてプロのお客様の傾向も探っていけるので、効果的なリーチの仕方を考えていきたいですね。

KIT様: 最近ではインフルエンサーを活用した動画コンテンツを配信するなど、当社としても違ったアプローチで京セラ電動工具を新たなターゲット層に訴求できないか、試行錯誤しているところです。より良いコンテンツ作りや見せ方を考えていくためにも、エクザムさんから提供されるアクセス解析のデータは不可欠です。今後ともお力添えお願いいたします。

エクザム: こちらこそ、今後もKIT様の「チーム」の一員、伴走者として役立てるよう、長くサポートを続けていきたく思っています。これからもどうぞよろしくお願いいたします。


取材ギャラリー

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